今春コロナが猛威をふるいはじめ、都心への出社を控えるよう言われて、当社の仕事で一番課題だったのは、お客様からの電話応対でした。夏ごろから全員出社の体制に戻しましたが、「今後、全員出社を控えなければいけない状況になったら、どうしよう?寒くなればインフルエンザもあるし、それまでに何とかしなければ」、と思い、アレコレ調べたり営業さんに話を聞いたりし始めたわけで、前回の「小さな会社のテレワーク導入体験記⑤ ヘルプデスクの電話対応(前編)」で、なんとかかんとか7合目までやってきました。

7合目:クラウド主装置

リモートワークでも、会社への電話をとれるようにする仕組み作り。 主装置の機能をクラウド上に置いて、携帯端末に内線子機の機能をもたせて、社外でも、社内でとるのと同じように子機化したスマホで話ができる機能が当社の運用に合いそうだというところまでたどりつきました。

その時紹介をしてもらったのは、「クラウドPBX」というサービスでした。費用も、設置型の主装置よりずっとローコスト。

ですが、採用しませんでした。

理由は、IP電話です。これを使うには、社内にある電話もすべてIP電話に換える必要があると説明を受けました。便利になるし、通話料も安くなる。

・・・けどですね、緊急時は仕方ないとしても、ふだんの電話の音質が下がってしまうことは、どうしても容認できなかったんです。

ヘルプデスクにかけていただくお客様は、みなさまそれぞれ操作の分かりづらい所やお困りごとがあったりする中で電話をされています。電話をいただく身としては、できるだけ生身の社員が早く、聞き取りやすいように応答したい、という気持ちがあるわけで、私たちみたいな小さい会社だと、そこを蔑ろにするのはどうしても抵抗感が大きいわけです。

IP電話が、ひかり電話と同じ音質になるには、もう少し時間がかかりそうだと思います。話ができればそれでいい、とは、どうしても思えない。やっぱり、できる限りはストレス無い音質で受け答えをしたい。

あと、怖いのは、すべてをインターネット回線に頼ってしまうことでしょうか。サーバー側の不安(混雑など)とかも無い事は無いですが、もっと怖いのは、こちら側の環境。なんかの事故で停電にでもなろうものなら、お手上げになってしまいます。

費用的には魅力だったのですが、検討中止しました。

7.5合目:フリーダイヤルにかかってきた電話に対し、同時に複数のスマホを呼び出す

フリーダイヤルにかかって来た電話を、子機として登録したスマホに転送する、というサービスです。

紹介をいただいたのは、ワイズヴォイス社の「スマホ0120」というサービスでした。応急措置としては有りかな?と思って、やってみる寸前でした。

とにかくコストが魅力だったのですが、在宅ワークの無い時は全て社内のビジネスホンで応答したいため、その切替の手間が若干割り切れず、迷っているうちに次へ。

8合目:「モバイル内線アダプタMB500」

結局、NTTの主装置αA1に、上記の装置を接続して使ってみることにしました。 基本、据え置き型の主装置なので、ふつうのビジネスホン一式です。ただ、このMB500装置を併用することで、登録したスマホが子機になります。それは、社外にいても使うことができます。

普段は、出社して、音質の良い回線で電話応対をおこない、緊急時は、在宅で、会社にかかってきた電話を各自のスマホで子機として、受電する、という対応が、これでできるはず。

これがベストな選択だったかどうかは、しばらくやってみないと分かりません。また、子機化したスマホだけはIP電話と同じなので、社外で使う際は、どうしても音質は劣化します。その状況になったら、非常時ということでお客様にはご容赦いただきたいと思います。

結びに

出費としては、当初想定してた予算よりずっと高くついてしまったのですが、
コロナ等が猛威を増して来た時に
・お客様にできるだけストレスをかけないようにする
・社員の安全をできるだけ確保する
という準備だけは、可能な限りはできたかな、と思っています。

もしも、もっといい方法があったら、それは教えないで下さい。結構悩んでそれなりの出費になっただけに、他の選択肢があったなら、しばらく立ち直れないです。

今後も新しい製品、便利なサービスが次々と登場してくると思いますが、当面はこの体制で運用していこうと思います!