ケアマネージャー(介護支援専門員)は、介護が必要な高齢者に対し必要な支援を判断し、様々な 介護サービス を利用することができるよう、関係機関と連携を図る「橋渡し役」を担っています。主に、居宅介護支援事業所や老人保健施設、地域包括支援センター などに勤務し、地域の高齢者やその家族の相談に応じています。
併設型居宅介護支援事業所のメリット
ケアマネージャーが在籍する居宅介護支援事業所は、老人保健施設や医療機関、訪問介護・看護事業所などに併設された「併設型」と、他の事業所や施設に併設されない「独立型」に分類することができます。厚生労働省が平成25年度に行った調査によると、独立型の事業所は年々減少傾向にあり、全体の約9割が併設型の事業所として運営しています。
併設型居宅介護支援事業所では、利用者が通所サービスや訪問介護、往診などをスムーズに利用できるよう、体制が整えられているのが特徴です。ケアマネージャーは、自分が在籍する組織に偏ることがないよう、中立的な立場でケアプランを作成する立場にありますが、実際には連絡がとりやすい併設施設や事業所のサービスを利用者に提供する傾向があります。利用者にとっても「何かあれば全てをお任せできる」という安心感を得ることができますし、運営側にとっても利用者数を一定数確保し、収益を安定させていく面でメリットがあります。
ケアマネージャーの資格取得方法について
ケアマネージャーは、介護だけではなく、医療・保健・福祉など様々な専門職との連携を図り、要介護高齢者の暮らしを支えています。ケアプランの作成では、職種を問わず幅広い専門知識と経験を要することから、ケアマネージャーの資格を取得するには、介護関連分野での実務経験が必要とされています。具体的には、医師・保健師・看護師・介護福祉士などの国家資格を有し、高齢者介護の実務経験が5年以上経過している者、または老人福祉施設やホームヘルパーなどの実務経験が5年~10年以上を経過している者に資格試験の受験を許可しています。
ケアマネージャーの資格は「介護支援専門員実務者研修受講試験(筆記試験)」に合格した後、各都道府県で開催される実務者研修(32時間以上)を修了した者に与えられます。筆記試験では、介護保険制度の基礎知識や 要介護認定 の仕組み、各種介護サービスの概要について問われます。実務者研修では、実際の事例をもとにケアプラン作成の実習や事例検討会が行われます。
ケアマネージャーの資格有効期間は資格者登録日から5年間とされています。更新時期には指定の講習を受け、手続きを行う必要があります。平成28年度以降は、ケアマネージャーの資質向上を目的とした新たな更新制度が導入され、講習時間数の増加、カリキュラムの変更が行われる予定です。
ケアマネージャーが作成するケアプランは、要介護高齢者の暮らしを左右する重要な“生活指針”になります。ケアマネージャーの仕事は本格的な超高齢社会を支えていく上で大変重要な役割をになっており、今後ますます需要が高まることでしょう。将来的に自分で介護事業をはじめたいと考えている方は、是非ケアマネージャーの資格を取得してみてはいかがでしょうか。