居宅介護支援事業者として指定(認可)を得るには、厚生労働省が法令で定める人員、設備及び運営基準等に従って申請を行い所定の審査を受ける必要があります。人員については、「指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準」(平成12年4月1日施行)の第二条及び第三条に詳しく記載されています。

第二条:従業員の員数

「指定居宅介護支援事業者は、当該指定に係る事業所ごとに一以上の員数の指定居宅介護支援の提供に当たる介護支援専門員であって常勤であるものを置かなければならない」(第二条第一項)

居宅介護支援事業所には必ず常勤の介護支援専門員(ケアマネージャー)を一人以上配置し、利用者の相談等に対応できるよう体制を整えておかなければなりません。介護支援専門員とは、各都道府県で実施される介護支援専門員実務者研修受講試験に合格し、所定の研修を経て免許を得た者を指します。

「前項に規定する員数の基準は、利用者の数が三十五又はその端数を増すごとに一とする」(第二条第二項)

居宅介護支援事業所では、介護支援専門員1人が担当する利用者数の標準を35人までと定めています。35人を越えてサービスを提供する場合は、その端数を増すごとに介護支援専門員を1人置くのが望ましいとされ、増員する介護支援専門員は、常勤でも非常勤(パート)でも良いとしています。

第三条:管理者

「指定居宅介護支援事業者は、指定居宅介護支援事業所ごとに常勤の管理者を置かなければならない」(第三条第一項)

「前項に規定する管理者は、介護支援専門員でなければならない」(第三条第二項)

指定居宅介護支援事業所の管理者は、介護支援専門員の資格を有していることが条件とされています。管理者になる場合は資格の有効期限を確認し、忘れずに更新研修を受講するようにしましょう。

「第一項に規定される管理者は、専らその職務に従事する者でなければならない。ただし、次に挙げる場合は、この限りではない」

一 管理者がその管理する指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員の職務に従事する場合
二 管理者が同一敷地内にある他の事業所の職務に従事する場合(その管理する指定居宅介護支援事業所の管理に支障がない場合に限る。)

原則、管理者は専ら管理業務に従事しなければなりませんが、業務に支障を来さない範囲であれば介護支援専門員の業務を兼務することができます。例えば、自宅の一室に事業所をおいて介護支援専門員1名のみで開業することも可能です。ただし、事業所を留守にしている間に利用者から緊急の電話が入ったり、新規申し込みの依頼が入ったりすることもありますので、常時応答できる体制を整えておく必要があります。また、月間・年間利用者数をどの程度に設定していくかにより、収支のバランスが不安定になる恐れもありあます。開業を決めたら、地域のニーズを把握しておくと共に、しっかりとした事業計画を立案することが重要になります。

事業所の人員配置については、各自治体によって独自の基準を設けていることがありますので、あらかじめ確認し過不足なく人員を確保する必要があります。