デイサービス事業を立ち上げるためには、事業人員の基準が定められており、決められた資格を持つ人の確保が必要です。平成24年の法改正適応後、現在の法律では、デイサービス管理者は必ず施設に一人は据え置かなくてはいけないということになっています。今回はその管理者の仕事内容と、それにまつわる資格についてお伝えします。
デイサービスの全体の運営・管理を行う管理者
デイサービス施設に必ず置かなければいけないのが、管理者です。これは施設規模が利用定員10名以下の小規模施設であっても常勤勤務しなければならず、さらにはもっぱらその職務に従事することという条件もあります。つまり名前だけ借りて管理者として置くのではなく、デイサービスの事業に専業として関わる管理者が必要だということです。
管理者の仕事としては、デイサービスの全体の運営・管理にあたること。経理や予算、事業計画の策定、職員採用や人事評価など、管理・経営業務全般を行うことになります。
管理者に資格は必要?
管理者に、特別な資格は必要とされていません。ただし、管理者は管理業務に専念すると共に兼務することも認められていて、小規模施設においては生活相談員 、サービス提供責任者、訪問介護員とも兼務することができます。ですので、それらの資格を取得しておくことで、業務の幅も広がり、その分の人員を採用する必要がなくなるため、人件費の削減にも繋がります。
生活相談員の資格の取り方
生活相談員には、社会福祉施設に勤めて入所者や通所者の相談にのる社会福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかの資格を持っていることが求められます。社会福祉士になるためには国家試験で合格しなければなりません。受験資格として専門大学の卒業、または養成施設に6カ月から1年通うこと、または相談援助実務4年などの要件があります。社会福祉主事任用資格は、社会福祉に関する3科目を履修し、申請することで取得ができます。
介護福祉士の資格の取り方
介護のプロとして、幅広い介護の実務に対する知識と技能を持つことを証明する資格です。現場での介護に加えて、マネジメントを任されることもあります。資格取得をするため現在は、実務経験3年か福祉系高等学校の卒業資格があれば介護福祉士の国家試験を受験できますが、2016年度より450時間の研修を受講していることも追加事項として加えられる予定です。
看護師、准看護師の資格の取り方
福祉の現場にも、医療的なケアを必要とする利用者のために看護師や准看護師が従事しています。准看護師は養成所で2年間、看護師は看護学校や大学で3年または4年間通い国家試験を経て資格取得となります。
介護の現場では、様々な資格や知識・技能が福祉の現場では必要とされます。多くの場合実務経験を問われるものなので、これまで介護の現場で働いていた方は、既に取得済みのものもあるかもしれません。介護の現場でのスペシャリストとしてのステップアップのためにも、ぜひ新しい資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。