通所介護(デイサービス)では、食事や入浴、排泄などの日常生活支援のほかに、生活機能の維持、改善を目的とした訓練、グループワークなどのサービスも提供されます。そのため、デイサービスの事業所を設立する前に、各サービスが適切かつ安全に提供できるよう「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生労働省令第三十七号)」に記載された設備、備品を用意しておくことが必要です。以下、その必要とされる設備、備品をご紹介します。
食堂及び機能訓練室
食堂と機能訓練室はともに必要です。また、利用者1人に対して、両スペースの合計が3平方メートル以上になるようにとも定められています。食堂にはグループワークの実施を想定し、大きめのテーブルや椅子を必要数設置しておくとよいでしょう。また、食堂と機能訓練室は、業務に支障をきたさない範囲で、同一の場所とすることができます。
相談室
相談室は、利用者のプライバシーに配慮する観点から個室が望ましいとされています。個室でなくとも、利用者が落ち着いて相談できるよう静かな場所にスペースを確保し、個人情報が外に漏れ出さないよう遮へい物を設置すべきです。厨房や玄関に隣接する場所は、騒音があったり、人の出入りが多かったりするので、相談室の設置場所に相応しくありません。
静養室
必要に応じて利用者が静養できるスペースを確保します。静養室については、広さや備品類について特に規定はありませんが、ベッドを設置したり、照明を調整したり、利用者が静かに過ごせるように工夫したほうがよいでしょう。
事務室
個人情報保護のため、利用者に関する書類を保管するための鍵付き書庫を設置する必要があります。また、職員が利用記録を記入、閲覧しやすいよう事務机も必要数設置すべきでしょう。
トイレ
利用者がスムーズに動作可能なスペースを確保します。車椅子専用トイレを設けたり、各個室トイレに緊急時呼び出しブザーが設置されたりしているとより安心です。
厨房
食中毒や感染症の発生を未然に防ぐよう、衛生管理のしやすい環境を整えます。また、刃物類が持ち出されないよう鍵付きの棚等で保管したほうがよいでしょう。
浴室
利用者に適した脱衣所、洗い場、浴槽等を設置します。水がたまって足下が滑りやすくなるため、小まめに水を拭き取り、転倒事故を予防しましょう。転倒事故を防ぐために、ドア開閉ストッパーを利用するのもおすすめです。
消防設備
災害時に備え、避難経路や消火設備(消火器、スプリンクラーなど)の確保も欠かせません。
そのほか快適な生活を送るための環境
デイサービスを実施する施設は、利用者が快適な生活を送れるように、環境を整備しなければなりません。たとえば、日差しを調整したり、換気をしたりして室温を調整するなど、設備や備品を用意する以外にもしなければいけないことはたくさんあります。
デイサービスの設備基準については、地域によって独自の基準を定めている場合がありますので、事前に市町村または都道府県、厚生労働省が定める基準を確認し、必要となる設備を漏れなくそろえるようにしておきましょう。
※上記の内容は2015年6月12日時点の情報を元に執筆しています。
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