訪問看護は、自宅で療養生活を送る高齢者等を訪問し、健康観察や必要な医療行為を行うことにより、利用者の心身機能の維持、回復を目指すサービスです。訪問看護サービスを提供する事業所は訪問看護ステーションと呼ばれ、厚生労働省が定める設備基準や運営基準に沿った体制のもと、市町村または都道府県の事業指定を得てサービスを提供しています。今回はこの訪問看護ステーションを立ち上げる際に確認しておくべき設備基準や運営基準をご案内します。

訪問看護ステーションの設備基準

訪問看護事業所として自治体の指定を受けるには、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生省令第三十七号)」に記載される設備に関する基準を満たした事業所を設置し、訪問看護に必要な備品等を整備しなければなりません。

この省令で必要な設備として定められているスペースに事務室があります。事務室は、訪問看護に関する事務処理のみを行う、訪問看護専用の事務室を設けることが望ましいとされています。事業所内に、病院や診療所が併設されている場合は、そういったほかの看護施設が有する事務室と明確に区別することが求められます。また、面積については特に定められていませんが、事務手続きに対応可能なスペースを確保すべきでしょう。

備品関連では、訪問看護サービス提供の際に使用する物品や感染予防を目的とした衛生用品が必要です。

訪問看護ステーションの運営基準

省令に明記された訪問看護ステーションの運営に関する基準では、適切な訪問看護サービスが提供されるために重要な指針が記載されています。主な指針は以下の通りです。

居宅介護支援事業者等との連携(第六十四条)

訪問看護事業者は、利用者の健康状態を適切に把握し療養生活の改善を促進するため、ほかの保健医療サービスまたは福祉サービスを提供する事業者と連携するようにしなければなりません。

指定訪問看護の具体的取扱方針(第六十八条)

訪問看護を実施する際は、利用者やその家族に対してサービスの内容をわかりやすく説明するとともに、療養生活上必要な指導や助言を行っていきます。また、サービス提供に当たっては適切な技術をもって利用者の心身機能の維持、向上を目指すことが求められます。

主治の医師との関係(第六十九条)

訪問看護サービスを開始する際には、主治医の指示内容を文書で確認し、適切な訪問看護が実施されるようにしなければなりません。また、主治医に対しては訪問看護計画書や訪問看護報告書を定期的に提出し、主治医と密接に連携する必要があります。

訪問看護計画書及び訪問看護報告書の作成(第七十条)

訪問看護を実施する看護師等は、主治医の指示やケアマネージャーが作成するケアプランの内容を踏まえ訪問看護計画書を作成し、利用者に交付しなければなりません。また、訪問看護の実施日、内容等を記録した訪問看護報告書の作成も義務づけられています。

同居家族に対する訪問看護の禁止(第七十一条)

利用者の同居家族に対して訪問看護サービスを提供することは禁止されています。

訪問看護ステーションを開業するにあたり、市町村または都道府県から事業指定を受けるためには、まずは厚生労働省が定める基準に従った設備や運営体制を整える必要があります。ただ、市町村または都道府県によっては、独自の基準によって事業指定を行っている場合がありますので、あらかじめ確認し過不足ない状態で事業申請できるよう準備しておくことが大切です。

※上記の内容は2015年6月12日時点の情報を元に執筆しています。

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