介護保険の請求業務は、専用の請求ソフトの登場により手作業で行われることはほとんどなくなりましたが、介護保険請求業務を手作業で行う方法を知ることにより業務効率が向上するかもしれません。今回は、サービス提供事業者が介護保険の請求業務を手作業で行う場合の流れについて解説します。
介護給付費請求の流れ
毎月、サービス提供事業者はケアプランの内容に基づいた「介護給付費明細書」および「介護給付費請求書」を作成し、サービス提供月の翌月1~10日の間に国保連合会へ提出します。次に国保連合会が、サービス提供事業者から提出された介護給付費請求書の内容と、居宅介護支援事業者(ケアマネージャー)から提出された給付管理票の内容とを突合、審査します。突合、審査が終わると、国保連合会が保険者である市町村に介護給付費を請求。市町村から国保連合会へ介護給付費が支払われると、その介護給付費を国保連合会がサービス提供事業者に支払います。
介護給付費請求の際に必要な書類、手続き
サービス提供事業者が介護給付費を請求するに際して、用意しなければならない書類、しなければならない具体的な手続きは以下の通りです。
月末の報告、集計業務
毎月末、その月に実施したサービス内容の詳細を記入した実績票を作成しケアマネージャーに提出、報告します。実績票には、請求額(単位数)も併せて記入し、国保連合会に介護給付費請求書を提出する前に、ケアマネージャーに内容を確認してもらうようにします。
介護給付費明細書、請求書作成業務
次に国保連合会へ提出する介護給付費明細書と介護給付費請求書を作成します。介護給付費明細書には、利用者の情報やケアマネージャーが所属する事業所名、事業所番号、提供したサービスの種類コード、サービス提供回数等を記入します。
介護給付費明細書内にある請求額集計欄には、サービスごとに定められる報酬額(単位数)、保険給付率、請求額の合計、利用者本人の負担額などを記入します。利用者負担 の減免、減額がある場合は、被保険者証を参考にしながら請求額を割り出しておきます。利用者全員分の介護給付費明細書の記入を終えたら、件数や単位数、請求額の合計を求め、介護給付費請求書に記入します。
また、利用者本人に渡す請求書も作成しておきます。内訳には、介護保険対象外となる食事代等も単価や利用回数とともに記載し、その月の合計請求額をわかりやすく示します。
個人ファイル、請求ファイルを作成しておくと便利
「介護給付費明細書」は利用者ごとに作成するので、契約書や保険証のコピー、面接や相談の記録等を保管する個人ファイルを作成しておきます。個人ファイルを開けば、利用者の情報をすべて把握できるように整理することが大切です。
次に介護給付費請求に関係する書類をまとめた請求ファイルを作成します。請求ファイルには、ケアマネージャーが作成するサービス提供票や、サービス提供事業者として提供したサービス内容の実績記録を保管しておくのがよいでしょう。
請求ソフトがなかった時代は、日々の記録や請求書作成をすべて手書きで行った上に請求金額を一つ一つ計算するなど大変な手間がかかっていました。請求ソフトを利用することで、多くの手間が解消されているだけではなく、よりスムーズで正確な請求業務が可能になったのです。
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